統率者マスターズプレビューで「生物学者、ルカルメル」を見て悲しい気持ちになったと言うお気持ち記事
そう、最近流行り(?)のお気持ち記事である。理由や根拠はあるかもしれないが、結局は「それは結局気の持ち様だろ」、と言われてしまいかねないやつだ。でも言いたいから書く。ブログなんてそんなもんだろう。
さて、早速だが。
マジック・ザ・ギャザリング(以下mtg)の統率者マスターズと言うセットが現在絶賛プレビュー中である。
【お知らせ】8月4日発売セット『統率者マスターズ』カードイメージギャラリー更新中!世界中より公開されたカードが順次掲載されていきますので、お楽しみに!
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2023年7月13日
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ドラフトブースターを構成する要素はいつものマスターズ同様に再録カードのみであるため、「まあいつも通り入ってくれてうれしいカードとう○ちカードの混在したパックだなぁ」と言う感想だけである。ただ、初めてfoil化するカードは素直にうれしい(統率者ピッチスペルとかね)。
一方で統率者デッキは4種発売を予定されており、各デッキにそれぞれ10枚ずつ(計40枚)新規のカードがあるのは注目すべき点だ。
『統率者マスターズ』ファーストルックまとめ|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
パックとか統率者デッキの概観については上のアドレスを参照してくれ。
4種の統率者デッキの中の一つとして、「スリヴァーの群れ」と言うデッキがある。
実はわたくしはスリヴァーのコレクションをしている(現存するスリヴァーの初版foilをすべて所有している(はず))程度にはスリヴァーが好きであり、このデッキおよびこれに含まれる新規カードについては結構注目をしていた。
そして内容が公開されて、新規のスリヴァーや再録のスリヴァー(新規絵多い!)に心躍った(ラゾテプ・スリヴァーとか言うこれまでの翻訳テンプレと違う奴については首を傾げるところではあるのだが…※)。
※ラゾテプはアモンケット産の鉱物の名前である。そのため、有名なスリヴァー名のテンプレートである「漢字2文字+スリヴァー」の翻訳は勿論できない訳なのだが、普通に「ラゾテプのスリヴァー」では駄目だったのか、と言うのが首傾げポイントである。最初期のスリヴァーには「ハートのスリヴァー」や「鎧のスリヴァー」等、助詞「の」が使われているので「の」での接続は自然だと考えている。一方、「・」で区切られたのはスリヴァーには前例がない。
で。統率者デッキ「スリヴァーの群れ」の新規カードには、記事の題名にも挙げた「生物学者、ルカルメル」と言うカードがあった。
誰よこの女
これは恐らく再録禁止であるカードである「スリヴァーの女王」をイメージして再録禁止の制約を回避しながら可能な限り寄せるように作られたカードなのだと考えている(お気持ちポイントその1)。
再録禁止ママン
比較してみると、マナコストは同じ5色。1/1のスリヴァートークンを生成する能力を持ち(かかるマナが多かったりタップが必要だったりするが…)、スリヴァーを宣言することでルカルメルはスリヴァーである。サイズは小さいのはまあうん。
はあ、そうですか、スリヴァーの女王に似てるんすね。じゃあ何が悲しいんですか。と。
わたくしが悲しい気持ちになったのは、この5色ジェネラルが「概ね全ての領域でクリーチャーが選んだクリーチャータイプになる」能力を持っていることにある。
mtgには古来から「部族デッキ」と言うものがある。簡単に言えば、特定のクリーチャータイプを強化するカードとそのクリーチャータイプを持つカードでデッキの大部分を構成することにより、その恩恵を最大に享受して相手を圧倒するようなデッキである。今回取り上げたスリヴァーは実際に部族を意識して作られたクリーチャータイプだとか。
この辺の奴が有名所ですかね
そう、本来部族デッキは恩恵を最大化するためにクリーチャータイプをほぼほぼ統一する必要があるのだ。これは一種の構築制限であり、だからこそ人はその部族に愛着が生まれてより好きになっていくのだとわたくしは考えている(お気持ちポイントその2)。
しかしながら、このルカルメルは何なのだ。出ただけで勝手にデッキのすべてのクリーチャーがクリーチャータイプを共有してしまう。これでは部族とは関係のない強力な汎用クリーチャーに対して「あー、このクリーチャー強いんだけど部族に関係ないから恩恵少ないんだよね、どうしようか」と言った思慮も無くなる。そこに部族における制限も美しさも何もないではないか(お気持ちポイントその3)。この能力は部族デッキ作成における創意工夫を失わせかねない。そんな5色ジェネラルがデザインされてこの世に生まれてきてしまった。そんな現実にわたくしは悲しみを覚えたのだ(お気持ちポイントその4)。
…「結局ルカルメル使うより普通に部族ジェネラル使ったほうが強いやろ」とか、「これで神を指定して世界樹からデッキの全クリーチャー出すコンボとかできて楽しいだろ」とか、「これまででも同じような能力を持ったカード(秘儀での順応とか)あっただろ」とか、「スリヴァーともう一つ部族を合わせたデッキが自然にできてそれは結構美しいだろ」とか、そういう反論をされるとそりゃあもうぐうの音も出ないんですけどね。
以上がわたくしの愚痴だ。読んでいただいた人はどう思っただろうか。
…ま、愚痴を言っておいてなんだが、楽しいのがやっぱり一番だと思うので、改めてこのカードを使った悪いことでも考えて楽しくいきますかね。