気まぐれな日記

ε(Phis)が気まぐれに書きなぐるブログ。

今月のメルクストーリアイベントストーリー

多少ネタバレがあります、注意。


今月のストーリーは2人の男女を中心とした短編4つで構成されている。導入部分、ばったり会った2人が1か月間旅行するっていう展開から始まるところが個人的にはすでに驚きなのだが、その2人の距離感や行く先々の出来事はほんわかふわふわでいつも通り素晴らしい。
今回のストーリーはキャラクターによる「自分を暗示した物語(昔話)」が多く、なかなかお話を追いかけるのが難しい。だがその分、読みごたえがあるし、キャラクターたちの思うとこを想像するのが非常に楽しい。この人はこの話をして相手にどう思われたいと思っているか、と。
いつもおなじみ、メルクストーリア本編主人公はこのイベントストーリーにおいては完全に空気である。というか、最後の15幕ある中の最後のストーリーでしかそもそも出てこない。主人公とは何だったのか。イベントストーリーでは普段彼らの行商中の出来事を取り扱うことがほとんどであるため、ここまでお話にからまないのは珍しい。
しかしながら、文章中にちりばめられた情報を読み解きながら話を俯瞰してみるとすっきりする緻密な文章校構成など、変わらぬクォリティがそこにはあるので、是非読んでいただきたい。メルストやってない人も始めていいのよ。




注意:以下文章は全力のネタバレがありますので白字にしておきます。
このストーリー、自分が最初に最後まで読んだとき、意味が分からなかった。
カナカエイアは最後にイワンを「先生」と呼ぶ。即ち、カナカエイアはイワンがお話冒頭で述べた「恋人にし損ねている人」であることがわかる。…しかし、同棲までしていたその人がすべての私物を家から撤収させたうえで書置きを残して去ったという事実を目にした後、家から出たら目の前にその彼女が困っていて、何事もなかったかのように助けることができるだろうか。それも彼女はまるで初対面の相手のように振舞うのだ。確かに彼は画家であり、性格的には多少のことで動じないことがストーリーから予想できるのは否定しない。しかしながら自分がその立場に立ったとしてそんなことはまずできないと思う。
その答えはカナカエイアのユニットストーリーにあった(注:★5ユニットです、ストーリーは某所に上がっているので読みたい人は検索してください、当てるのはおすすめしない)。結論としては、上記状況証拠そのまま。カナカエイアがイワンをわざと知らない人として扱い、それをそのままイワンが受けた形となっている。
…僕の感想は完全に「ありえんだろこいつら…」である。カナカエイアがイワンが気持ちを示さないことに対して苛立ちを抱いた(と思う)ところから家出しようとして乗り物が壊れてて、その家出の瞬間をものの見事にイワンに見られたわけで。そこで知らない人のふりして接して、そこから1か月旅行するとか。常人の発想じゃない…よね?
イワンもイワンである。上記の状況においてなお平静を保ち、見知らぬ人としての態度を応じ返し、それでいてカナカエイアの提案を受け入れる。信じられんぞ。…何よりも、この知らない人として接する一番最初の部分(旅を開始する前)でイワンは(上でも引用したが)こう言っている。
「今、受けている依頼は、恋人にし損ねている人からのものだけなんです。」
完全に告白じゃねーか!!!!
この胆力がすごい…もう信じられない…だから最後の最後(カナカエイアのユニットストーリー読む)までわかんなかったんだよ…

ああ、ここまで言ってますけどそれを含めて素晴らしい話だと思います。唯一の欠点はこのアフターストーリーを把握するために★5のユニットを手に入れなければならないようにしたのはどうかと思う。あとイワンの覚醒ストーリーが楽しみではある。