気まぐれな日記

ε(Phis)が気まぐれに書きなぐるブログ。

統率者(2016年版)プレビュー1、2日目

はい。統率者2016、プレビュー開始してました。いつも通りレビューしていこうと思います。独断と偏見にて。


○セット共通テーマ「4色」について
さんざん公式で言っていますが、4色のカードはすさまじく作るのが難しい。それは、公式側がカラーパイとかいう素敵な概念を導入しており、それぞれの色には役割を持たせています。
しかしながら、その色の役割は凡そほかの色とかぶっている部分がある。例えば、赤と黒だったら「混沌」(赤)と「非道徳」(黒)。完璧に一致しているわけではないが概念的には割と近い。その他の例は公式のコラムでもさんざん語られているはずなので適当に検索してください。
んで。「4色」だが、はっきり言って色が多すぎてカードのテーマがごっちゃになってしまうのだ。それこそ、「5色」とほとんど役割的には変わらなくなってしまうのである。「1色が足りない」、という言い方はできるのであるが、その「1色」は「ほかの4色」によってカバーされてしまう。だからこそカードのデザインがすごく難しい。
それでは、どうやって今回、ウィザーズがカードをデザインしたかというと…


○キーワード能力「共闘」
(文が上から続いています)
キーワード能力「共闘」である。これはこのキーワードを持つカードであるならば統率者を2枚指定していい、というキーワードである。
その発想はなかった、としか言いようがない。しかしカードをカラーパイ通り作り上げ、そこに共闘をつけることで無理なく統率者用4色デッキという条件を達成している。なるほど納得である。
まあでも、「おいおい、ネフィリムを過去に作っただろうが。4色の統率者作れるだろ?」と、文句をつける方々はまあどうあがいてもいるわけだ(俺もその一人に近い)。その問題の解決をしたかというと…


○「1色欠けた統率者」
(文がさらに上から続いてます)
した。やはりアプローチの仕方は上に書いた通り、「1色が足りない」という手法だ。4色の特色を出すのは難しかったか。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-preview/designing-commander-2016-edition-2016-10-24(日本語記事がまだ来てません)
ここで、それぞれの4色について語っている。緑の欠けた色は「人工的な工夫」。白が欠けた色は「混沌」。青が欠けた色は「理由なき攻撃性」。黒が欠けた色は「思いやり」。赤が欠けた色は「未来を見据えた進歩」(すべて私による意訳)。つまるところ、「その4色」には何かしら上記性質(の一部)を持つことができるが、「欠けた1色」はどう意識を拡張してもそこまでたどり着けない部分をテーマとしているわけだ。なかなかどうして難しい解釈だが、なるほど納得のいくところである。
じゃあ、そのカードが面白くデザインできるか…と、言うとまた別問題だよなぁ…(以下レビューでネガティブレビューしまくってます)


○キーワード能力「不抜」
コスト軽減系キーワード能力。…と聞くと、かなり恐ろしいと思えるが、このキーワード能力は試合開始時にすでにコストが決まってしまう残念なやつ。おそらく、3マナは軽減される前提でデザインされているため、正直面白くもなんともない。


はい、ここまでセット特有の部分のレビューでした。以下、カードの個別レビューをしていきます。気になったカードだけを独断と偏見を以って、ね。


・求道の達人、サイラス・レン
テゼレットのライバルらしい。でもテゼレットの能力で呼び出せる。ワロリーヌ。
能力に関して、プレイヤーにダメージを与えれば墓地から1つアーティファクトを「唱えることができる」。残念ながらマナコストを支払わずにとか書いてない。悲しみ。
しかし、これを統率者に置いておくと落とされると困るアーティファクトを再度唱えたりすることができるので結構悪くない。水蓮の花びらを毎ターン唱えなおしてマナ加速とか、彩色の星とか唱えなおしてドローするとか納墓を介することで疑似的なサーチを行うだとか。有毒の蘇生使えよとかそういう野暮なことを言ってはいけません。


・法務官の声、アトラクサ
(ネガティブレビューです、注意)
最初に公開された4色ジェネラル。赤の抜けた世界と言えば何か。そう、ニューファイレクシアである。なるほど納得。(これがわからない人はこの辺を読んでいただければわかるかとhttp://mtg-jp.com/reading/translated/001491/http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/331
しかし、能力を見てほしい。やはりデザインが難しいものである。とりあえずとってつけた4色のキーワード能力。そして増殖。なんとまあ微妙なデザインだことで。増殖の能力がまるで自己完結していないし、なんだかもうよくわからない。確かにキーワード能力はほぼほぼ赤くないのは間違いないんだが。…でもそうなんだ、やっぱりどうすればいいか自分として思いつかないのが「4色」の罪である。


ーーーーーー1日目ここまで、ここから2日目ーーーーーー


・エーテリウム造物師、ブレイヤ
(ネガティブレビューです、注意)
フレイバー的に見たら、人工物を嫌う緑の反対はエスパー(アラーラ)。すべての所属クリーチャーがアーティファクトクリーチャーであるこの次元は、まさに緑の欠けた4色として適任であろう。え?「断片無き工作員」?知らない子ですね…
こいつは4色ジェネラルであるものの、やれることを明確に区切っているパターンのカード。出たとき能力は青。それぞれのモードで、赤(溶岩の撃ち込み)、黒(闇の掌握)、白(司祭の祈り)。ボディがそこそこ大きいのは良いが、能力の効率が悪すぎる上に、その内容がすべてにおいて統率者戦に向いていない。4マナかつ色拘束がひどいんだからマナなしか1マナ+1つ生贄ぐらいにして欲しかった感ある。はっきり言って使う気が起きない。


・不撓のサスキア
4色ジェネラルその3。青の欠けた色で、絵はタルキール(マルドゥ)っぽいが…どこだろうか。まあマルドゥでなくとも、なんか理由のなさそうな暴力ってマルドゥ臭いし、そんなとこじゃなかろうか。
能力ですけど、まあ一人を殺すっていう非常に糞みたいな能力。果てしなく糞である。他のところを攻めながらさらにもう一人にダメージを通すもよし。一人へ与えるダメージを2倍にしてもよし。正直やることが明確だから上記2つのジェネラルよりはよっぽど使いやすいし戦略を立てやすいと思う。味方のクリーチャーすべてがその能力の対象になるところは白と緑らしく、偏執的に一人を殺そうとする感情は赤と黒らしい、そして何より「理性的(青)でない」感じの能力で、能力と色の関係について妙に納得のいくところも好感。ああ、でも青が入ってない時点で俺が使うことはまあないけどね。ドローさせろ。


・みなぎる燃えがら角
攻撃しないプレイヤーに対してダメージを飛ばすクリーチャー。なかなか面白いカードで、普段攻撃しないデッキ(特に青黒系コンボ)を咎める。与えるダメージを即座に増やすためにも、相手に攻撃を控えさせるためにも、出したターンは殴らないのが多分正解。喰らうダメージが厳しくなってきたら回避能力持ちとかで殴りに行きたいところ。何故このカードは増殖を持つアトラクサと一緒に使えないのか…これは確実に増殖しまくるべきカードだろ…


・激情の薬瓶砕き
現段階の下環境最有力候補だと思う。こと統率者戦においては削るべきライフが多すぎることと狙ったところに当たらないところが問題になりいまいちだろう。しかし一方でレガシーの場合、出した後意志の力打つだけで5点相手に飛ぶ。そうでなくても渦巻く知識で1点ちまちま与えることもできるし、火炎破なんか事実上の10点火力となる。マナコストも3マナ、色もグリクシスカラー範疇であり、かなり強いのではないかと。妄想なので真に受けないように。でも可能性は大いにあると思う。マジで。